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エレファント・マン(1980 アメリカ/イギリス)

19世紀末のロンドン,外科医のフレデリック・トリーヴスはサーカスで奇形人間“エレファント・マン”として見世物にされていたジョン・メリックを見て衝撃を受けた.トリーヴスはメリックを学会で発表し,また虐待で怪我をしたメリックをロンドン病院に引き取った.病院長のカー・ゴムは,メリックが醜い外見に合わず高い知能と純粋な精神を見せることに感動し,そのことを新聞に投書すると,メリックはロンドン中で評判となる.そして演劇界の大女優ケンドール夫人がメリックを訪問すると,上流社会の人々がこぞって訪ねるようになるのだが…という話.

醜い外見のため数奇な運命をたどった実在の人物ジョン・メリックの半生を描いたドラマです.
おどろおどろしい雰囲気の映像と音楽の中特異な姿で登場するジョン・メリックが,最初のうちはほとんど何もしゃべらず不気味な怪物としか見えないのですが,話が進むにつれてメリックがどんどん愛しくなってきて,彼が喜ぶ様子を見るだけで胸がいっぱいになってきます.トリーヴスの家に招待されて写真を見ながら母親のことを語るシーンや,ケンドール夫人とともに“ロミオとジュリエット”を演じるところはすごく感動的でした.
また反対に人間の醜い面や残酷な面も描かれていて,メリックを見世物にして金を稼ぐ興行師や夜警は見るからに腹の立つ存在だし,ちょっとした好奇心からメリックを追い掛け回す子供たちや男たちも,悪意がなくてもメリックを迫害することがあるということ,はてはトリーヴスやケンドール夫人のやっていたことは自己満足の偽善ではないのかなど,いろいろ考えさせられるところも多い作品です.
そして,ひとつの作品を作り終えて次の夢に挑戦してみた,そんなラストも印象深かったです.

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コメント

TBありがとうございました!
この映画は、一度見たら頭から離れないですね。
とても素敵な映画ですね。

投稿: こま | 2005/03/28 15:40

嫌悪,悲痛,憐憫,憤怒,博愛,欺瞞,反省,安堵,etc.…こんなにいろいろな意味で衝撃をうけて考えさせられる話はなかなかないと思います.
本当に心に残るいい作品ですよね.

投稿: ふそう | 2005/03/28 17:53

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» エレファント・マン [Saturday In The Park]
1980年 アメリカ&イギリス合作 監督:デヴィッド・リンチ 出演:ジョン・ハート     アンソニー・ホプキンス     アン・バンクロフト     ジョン・ギールグッド 19世紀末のロンドンを舞台に“象人間”と呼ばれ見せ物小屋で自らを晒しながら 生きて... [続きを読む]

受信: 2005/06/02 13:22

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