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2005年3月の15件の記事

ブロードウェイ・メロディー(1929 アメリカ)

ミュージカルスターのエディは自信の新作曲“ブロードウェイ・メロディー”を完成させ,幼馴染のマホーニー姉妹と競演することにした.エディは姉のハンクと恋人関係なのだが,美しく成長した妹クィニーを見て心を奪われてしまう.ショーのリハーサルで,クィニーはその美貌が評判となりプレイボーイのジョックに言い寄られる.クィニーもまたエディを愛してしまったのだが,姉ハンクの恋人と深い仲になることを潔しとせず,自分はジョックと交際することにする.エディとハンクはプレイボーイとつきあうクィニーを心配し忠告をするのだが…という話.

同じ男性を愛してしまった姉妹を描いたラブロマンスです.
現在なら修羅場になりそうなシチュエーションなのに,昔の作品のためか妙にアッサリしています.エディもハンクも気持ちの切り替えがさっぱりしすぎで,クィニーの一人芝居でみんなを振り回してしまった感じですね.これもマホーニー姉妹の姉妹愛が強かったからってことなんでしょうか.
当時のミュージカルの舞台裏の様子も描かれているのですが,なんだかけっこう自我のぶつかり合いで揉め事が多そうなところはおかしかったです.
ミュージカルショーがあまり上手く見えないのは気のせいなのかなぁ.さすがに古くなりすぎなのか,色彩があって音響がしっかりしていれば,もっと楽しめるショーなのかもしれないですけど.

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エレファント・マン(1980 アメリカ/イギリス)

19世紀末のロンドン,外科医のフレデリック・トリーヴスはサーカスで奇形人間“エレファント・マン”として見世物にされていたジョン・メリックを見て衝撃を受けた.トリーヴスはメリックを学会で発表し,また虐待で怪我をしたメリックをロンドン病院に引き取った.病院長のカー・ゴムは,メリックが醜い外見に合わず高い知能と純粋な精神を見せることに感動し,そのことを新聞に投書すると,メリックはロンドン中で評判となる.そして演劇界の大女優ケンドール夫人がメリックを訪問すると,上流社会の人々がこぞって訪ねるようになるのだが…という話.

醜い外見のため数奇な運命をたどった実在の人物ジョン・メリックの半生を描いたドラマです.
おどろおどろしい雰囲気の映像と音楽の中特異な姿で登場するジョン・メリックが,最初のうちはほとんど何もしゃべらず不気味な怪物としか見えないのですが,話が進むにつれてメリックがどんどん愛しくなってきて,彼が喜ぶ様子を見るだけで胸がいっぱいになってきます.トリーヴスの家に招待されて写真を見ながら母親のことを語るシーンや,ケンドール夫人とともに“ロミオとジュリエット”を演じるところはすごく感動的でした.
また反対に人間の醜い面や残酷な面も描かれていて,メリックを見世物にして金を稼ぐ興行師や夜警は見るからに腹の立つ存在だし,ちょっとした好奇心からメリックを追い掛け回す子供たちや男たちも,悪意がなくてもメリックを迫害することがあるということ,はてはトリーヴスやケンドール夫人のやっていたことは自己満足の偽善ではないのかなど,いろいろ考えさせられるところも多い作品です.
そして,ひとつの作品を作り終えて次の夢に挑戦してみた,そんなラストも印象深かったです.

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グランド・ホテル(1932 アメリカ)

ベルリンの最高級ホテル“グランド・ホテル”にて.面倒見がよく洒落気もあって評判の良いカイゲルン“男爵”は実は借金を抱えており,高い名声を得ているバレリーナの“マダム”グルシンスカヤの真珠のネックレスを狙っていた.グルシンスカヤの公演中に部屋に忍び込み首尾よくネックレスを手に入れたカイゲルンだったが,彼女が公演を放棄し戻ってきたのであわてて部屋に隠れる.しかしスランプで泣くグルシンスカヤを見て,カイゲルンは思わず姿を現して彼女を慰め元気付ける.そのまま二人は恋におちるのだが…という話.

ホテルを舞台にいろいろな人生の交錯を描いたドラマです.
上記“男爵”と“マダム”のほか,余命幾ばくもないと診断され残りの人生を贅沢三昧で過ごそうとする経理係クリングライン,嫌な仕事でも金のためなら割り切れる速記者フレムヒェン,失敗すると会社が危機に陥るのでなんとか合併交渉を成功させたい会社社長プライジング,それぞれのドラマが平行し時に交差しながら映画は進んでいきます.それぞれの人のドラマはその人生を変えるほど大きなものでそれはホテルを出ても続いていくのだけれども,ホテルの日常は何事も変わらずに続いていく,というところが感慨深いです.
人物も魅力的なキャラクターがそろっているのですが,ホテル荒らしにまで落ちぶれているが根はどこまでも紳士のカイゲルンがなんといっても好印象,初めての上流社会に戸惑いながらイナカモノ丸出しではしゃぐクリングラインに好感が持てて,特に印象的でした.
群像劇の割に主要登場人物が少ないので,話もわかりやすく集中しやすかったのもいいですね.

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ゾラの生涯(1937 アメリカ)

19世紀のパリ,批判本ばかり書いていたエミール・ゾラは画家のセザンヌとともに貧乏生活をしていた.ある日ゾラは警察に追われていた娼婦を救い,彼女の身の上話から小説“ナナ”を書き大好評を得る.その後たくさんの著作を発表しゾラは富と名声を得るが,セザンヌはゾラに反骨精神が劣ってきたことを指摘して去っていった.そんな時ドレフュス大尉が反逆罪で終身流刑となる事件が起きる.ドレフュス夫人は無実の証拠を持ってゾラを訪れ夫を救ってほしいと訴え,ゾラは公開質問状“私は弾劾する”を書くのだが…という話.

フランスの文豪エミール・ゾラの半生を“ドレフュス事件”を中心に描いた映画です.
ゾラがセザンヌの肖像画を見て“ドレフュス事件”の資料を読み,軍部と司法と戦うところが面白いです.軍部は裁判中に自由勝手に発言できるのに,ゾラ側は質問することさえ裁判長に却下される.そんな状態なのでラボリ弁護士やゾラを思わず応援したくなり,彼らの演説のときは力が入りました.
それから悪魔島に流刑になったドレフュスの様子も心に残ります.最後に牢屋の入り口を何度も行ったり来たりするところは感動的でした.
それにしても,内部で不正があってもそれが外に漏れなければ組織の誇りを保つことができるというのは,本当に嫌な考えですね.組織に誇りがあるならば,内部の不正を改善し腐敗を克服できる,本当に内からも外からも誇れる組織になって欲しいですね.

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雑記

えふうそ のことが書かれていて爆笑してしまったのでここに晒します(笑)

Heart Shaped Box: すごいリニューアル

今のデザインはリッチテンプレートの“スクリーンデビュー”なんですが,“イイ雰囲気”を持っていますよねぇ.わたしが唯一使いたくなったリッチテンプレートで,ちょっと読みにくい気もしますが,けっこう気に入っています.
うちはサイト名も文章も内容もへろへろなので,デザインがピッタリとはまったってところでしょうか(笑)

飽きたらまたシンプルなデザインに戻しちゃうつもりなんですけどね.

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東部戦線1944(2002 ロシア)

1944年の東部戦線,過酷な任務でソビエト軍偵察部隊の損耗は激しかった.本部に配属された新人通信兵カーチャはトラフキン中尉を一目見て好意を抱く.トラフキン中尉を隊長に7人の新しい偵察部隊“スター”が編成され,ドイツ軍の後方に潜入することになった.敵の部隊をかわし,敵兵を捕らえて情報を得ては本部に連絡する“スター”.しかし誤って将校を捕らえたとき,貴重な情報を得た代わりにドイツ軍に警戒されることになってしまった.そして敵の放った銃弾に無線機を破壊され,本部との連絡が絶たれてしまう…という話.

ソビエト軍のある偵察部隊の活躍を描いた戦争ドラマです.邦題にはご大層なタイトルがついていますが,原題は“Звезда(星)”で主人公トラフキン中尉の小隊のコードネームにもなっています.
偵察部隊の情報収集というとなんだが地味なイメージですが,映画では特殊部隊の隠密行動といった感じです.敵に気づかれずに敵兵をさらって情報を得たあと始末するんですが,命乞いをしている敵も容赦なく殺してしまう主人公部隊の非情さが,戦争映画としてはダークでなんだか新鮮です.
敵将校を捕らえるたびに敵の警戒度が上がり,危険度がどんどん増していく緊迫感がいい感じでした.潜入行動ということで主人公部隊が発砲することは少ないのですが,そのぶん味方部隊の攻撃が派手でスペクタクルなシーンもあります.
キャラクターもなかなか個性的でした.特にヒロインのカーチャはこの殺伐とした舞台に潤いを与えてくれる存在ですが,けっこう乙女チックなのがほほえましいです.彼女に感情移入するとこの作品は十分に面白いです.
なんだか戦闘アニメやゲームのような雰囲気があり,観やすくてなかなか楽しめました.

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ハリー・ポッターとアズカバンの囚人(2004 アメリカ)

アズカバンの牢獄から凶悪な殺人犯シリウス・ブラックが脱獄した.シリウスはヴォルデモートの忠実な僕でヴォルデモートを復活させるためにハリー・ポッターを探しているという.新学期になりハリーは魔法学園に戻るが,その途中で吸魂鬼ディメンターに襲われ新任のルーピン先生に助けられた.学園では脱獄囚に備えてディメンターたちが警備にあたるが,それでもシリウスに侵入を許してしまった.ディメンターはハリーに興味を持ち,ハリーはディメンターの恐怖に打ち勝つためにルーピン先生に守護霊パトローナス呪文を教わるが…という話.

ファンタジー児童文学“ハリー・ポッター”の3作目の映画化です.
魔法の世界らしいおふざけがたくさん出てきて楽しいこのシリーズですが,前2作に比べて雰囲気がちょっとダークになったような気がします.なかでも吸魂鬼ディメンターがおどろおどろしすぎで,メインの障害のはずの凶悪犯シリウス・ブラックより驚異的な存在に見えます.
メインのストーリのほかにサブストーリが多く,全体的に物語が細切れで進み方が非常に早く感じます.そのためかシリウス・ブラックのエピソードは説明不足でかなり唐突な気がしました.ハリーの両親を裏切った話も未解決で終わってしまい,いい話にまとめてはいるんですが,この辺はちょっと欲求不満になりそうです.
CGであらわされた魔法的な存在は見事です.とくにヒッポグリフは美しいし仕草もかわいいし,一度乗ってみたいなあと思わされました.
それにしても前作までハリーのライバルだったマルフォイが,かなり情けなくなってしまっているんですが,原作もあんなもんなのかしら.

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ドクトル・ジバゴ(1965 アメリカ/イタリア)

20世紀初頭のモスクワ,詩人で医者のユーリ・ジバゴは幼馴染のトーニャと結婚したが,コマロフスキーの愛人とされていたラーラにも心惹かれていた.ロシアは第1次世界大戦から革命へと突入していく.ユーリは従軍医師となり,そこで夫パーシャを探すために看護婦になっていたラーラと出会う.ユーリはラーラに想いを告げるがラーラはそれに応えず二人は別れた.除隊したユーリが家に戻ると革命政府に財産は没収されていた.そこにユーリの義兄イエブグラフが現れ,ユーリの詩が反革命思想とみなされることを告げる…という話.

ロシア革命の動乱に翻弄されつつ生きた男と女のラブロマンスです.
戦争は人々の生活に大きな転換を迫りますが,革命はそれに加えて人々の価値観にも大きな変更を強要します.そんな世の中でユーリは革命に賛同するでもなく,抵抗するでもなく,自分は自分のままに生きようとするところが印象的です.
またラーラも恋人がいるのに母の愛人に手篭めにされたり,恋人と結婚後夫は戦争に行き行方不明になったり,夫が赤軍の将軍として恐れられたりと,かなり波乱な運命をたどっています.そんなユーリとラーラがロシアの田舎町で再会し結ばれるのは,長い年月を経ていろいろなことがあっただけに本当にロマンチックです.ただ2人にはそれぞれ妻や夫がいるのでその辺でちょっと賛同しかねますが.
ユーリ・ジバゴの物語は長くて悲しいですが,ラストのトーニャのエピソードで少し救われた気分になりました.
あと,広大な平原や雪原,氷に覆われた屋敷,スイセンの花畑など各所に出てくる風景がとても美しいです.“ラーラのテーマ”の音楽も心に残っていいですね.

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招かれざる客(1967 アメリカ)

黒人医師ジョンは10日前にハワイで白人女性ジョーイと出会い結婚を誓う仲になり,ジョーイの強い勧めで彼女の両親と会うことになった.ジョーイの母クリスチーナと父マットは娘の婚約者が黒人であることに戸惑う.クリスチーナは娘の幸せな様子を見て次第に2人の結婚に賛成する気になるが,マットは新聞社を経営しリベラリストを自負していたにもかかわらず賛成する気になれなかった.またジョーイはジョンの両親も夕食に招待するのだが,彼らも息子の婚約者が白人女性だと知らされていなかった…という話.

人種の壁を越えて結婚しようとする2人とそれに戸惑う親たちを描いたドラマです.
人種差別問題が物語のひとつの柱なのですが,他人種を直接攻撃するようなところはなく,異人種間の結婚をタブー視する世間からの憎悪や悪意を心配するというかたちでそれを示唆しています.本人たちが差別するつもりがなくても世間の風当たりを避けようとすると,結果として差別を追認することになってしまう,そのあたりは非常に難しい問題ですね.
しかしこの映画は差別問題を抜きにしても,結婚する子供に苦労を味合わせたくない親を描いた作品としても十分に楽しむことができます.突然の結婚話,しかも相手は10日前に出会ったばかりで,再婚で,結婚後は遠い国で暮らすことになるなんて,いくら相手が立派な業績を残している人物でも結婚に反対したくなる気持ちはよくわかります.しかも半日で返事をしなくちゃならないといわれたクリスチーナやマットの困惑,それから人々が互いに心情を話し合っていく様子がとても面白かったです.
全体的には重い話ではなくむしろコミカルなところが多くあり結末も最初から見えているので,心温まるホームドラマとして安心して楽しめました.

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オール・ザ・キングスメン(1949 アメリカ)

正直で勤勉なウィリー・スタークは郡の会計に立候補し校舎建設の汚職を批判したが落選した.しかしその校舎で大事故が起きたため,ウィリーは絶大な支持を集め州知事選挙に引っ張り出された.しかしそれが他の候補を当選させるためのダミーだったと知り,ウィリーは変わってしまった.4年後再び知事選挙に出馬,方々と裏取引して資金を集め,金の力でウィリーは当選した.知事になったウィリーは公約通り福祉を充実させて民衆の人気を取ったが,裏では賄賂や恐喝で反対派を押さえ込む独裁者になっていた…という話.

政治の悪しき面に染まってしまった男を描いたドラマです.
理屈が通らないことはどんな世界でもあるもので,政治には裏工作が重要なことを思い知ったウィリーは目的のためには手段を選ばぬ人間になってしまう,その変わりっぷりがすごいです.裏取引で金を集め,自分を有利に運ぶために周りの人間をすべて利用し,敵には憎まれ味方に不信がられ家族までも不幸にしてしまう,それが本当に彼の望む姿だったのかと,いろいろ考えさせられられます.
ウィリーは病院や学校など福祉の面では社会に貢献しています.これは彼の初めの目的でありそのために彼は権力を欲していたのですが,彼が変わってしまった後では権力を握るために福祉を充実させて民衆を喜ばせているだけように見えてきます.“善は悪から生まれる”はある意味当たっているのかもしれませんが,これが民衆の求める政治家の姿なのかと思うと,薄ら寒くなってきます.
しかしこの当時から政治の悪い面を明確に現していたのに,現在でも状況はあまり変わっていないような気がしますね.

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レイヴンふそうの日記/NB編9

[アーマード・コア ナインブレイカー のプレイ日記]

映画のDVDを買い込みすぎてほとんどゲームをやってないな.でもちょっとネタができたからたまには日記を書く.

OVERALL: MELEE はスナイパーライフル+ミサイルのタンクで LEVEL 1-4 をクリア.LEVEL 5 に出てくる AC はミサイルカウンターをつけているようなので,ミサイルの代わりに両肩レーザーキャノンで撃破した.
このトレーニングをクリアしたらエンディングになった.これで一応ゲームはクリアなのかな?

残りのトレーニング;
TECHNIC: SWORDCRAFT LEVEL 4-
SPECIAL: NO LOCKON+RADAR LEVEL 3-

ゲームクリア時の成績:
トレーニング 金67銀38銅40
称号     ウェポンマスター

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すでに新作が出てるし,日記はほとんどほったらかしだったし,キリがいいから今回で終わりにします.
中途半端でゴメンなさい.

[詳細データ]
タイトル:アーマード・コア ナインブレイカー
ジャンル:ロボットアクション
メディア:PS2 DVD-ROM
発売元:フロム・ソフトウェア
価格:6,090円
公式サイト:ARMORED CORE NINE BREAKER 製品情報


※3月11日追記
それまで全然できなかったことが,そのときだけサクっとできてしまうことを“まぐれ”と言いますが,結構起こるもんですなぁ.ということでトレーニングを全クリアできちゃいました.

トレーニング全クリア時の成績:
トレーニング 金77銀37銅36

あとはオール金クリアですが,そこまで“まぐれ”に期待できないかな.

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ミッドナイト・エクスプレス(1978 アメリカ)

1970年イスタンブール,アメリカ人のビリーは麻薬を持ち帰ろうとして空港で逮捕される.当時トルコは麻薬輸出大国の汚名を返上しようとしていたため検事は終身刑を求刑,弁護士の働きでビリーは4年の刑期を受けた.トルコの刑務所で辛い思いを味わうビリーだったが,早期釈放を望んで真面目に努めていた.しかし刑期があと53日に迫ったとき,トルコ当局によって裁判のやり直しが行なわれビリーの刑期は30年に延長されてしまう.ビリーはショックを受けるが,ミッドナイト・エクスプレス(脱走の意)に希望をかける…という話.

麻薬不法所持でトルコの刑務所に投獄されたビリー・ヘイズの手記を映画化したドラマです.
ただでさえ外界と隔離されて閉塞的な刑務所にはなじめないのに,言葉が通じず慣習も異なる異国の刑務所ともなると不安感など計り知れないでしょうね.そのうえ4年から30年への刑期延長は確かにひどい.それだけに父親や恋人との面会のシーンは胸をうたれました.
しかし元はといえば自分が麻薬を密輸しようとして捕まったのが発端です.犯罪をおかすならば捕まったときのリスクは覚悟してしかるべき,捕まってから泣き言いうのは罪に対する認識が甘すぎるからでしょう.そのへんは主人公に全面的に賛同できないところでした.
あと音楽と心臓の音の効果音がとても印象に残りました.
ただ刑務所ってところは絶対入りたくないって思わせるぐらいの方がいいんじゃないかな,という気がしないでもないです.

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わが命つきるとも(1966 イギリス)

16世紀のイギリス,トーマス・モアは枢機卿に呼び出され,国王ヘンリー8世と王妃キャサリンの離婚にローマ法王の承諾をもらえるように協力を頼まれるが,信仰の篤い彼はそれを断った.その後トーマスは大法官に任命され,自宅にヘンリー8世の訪問をうけるが,それでもトーマスは離婚に賛成せず国王の怒りを買う.ヘンリー8世は英国教会をローマ教会から独立させて自らを最高首長に据え,キャサリンとの結婚を無効として女官アンと結婚する.トーマスは大法官を辞任するが,国王の結婚を祝福しないということで投獄されてしまう…という話.

16世紀の政治家トーマス・モアの半生を描いた歴史ドラマです.
政治家や教会が堕落して権力に迎合している中,高潔な生き方を貫いたトーマス・モア.現在の政治家にもこんな人がいればいいだろうなあ.宗教色の強い話ですがそれを抜きにしても,横暴な国王に屈しなかった男の話として楽しめました.自分の信念をまげずに戦う姿はやはり心を打たれます.
それにしても,はじめはトーマス・モアに頼ってきたのに裏切り続ける旧友のリチャードがどんどん良い地位を手に入れていくのは,なんだか悔しいですね.
歴史的にも重要な事件である宗教改革が背景にあって,それにまけないような荘厳で華美な映像があって,とても格調高く豪華な作品です.

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地球の静止する日(1951 アメリカ)

円盤型の宇宙船が飛来しワシントンに着陸した.軍隊に包囲される中,宇宙船から現れたのはヒト型宇宙人のクラトゥとロボットのゴート.クラトゥは地球の危機を警告するため全世界の首脳を集めることを要求するが,地球では紛争が絶えないため,それは無理なことだった.そこでクラトゥは一般市民に紛れ,科学者のバーンハートと接触し,世界中から集めた科学者たちの前で演説することを決定した.講演の前にクラトゥは,自分たちの科学力を地球人に知らしめるために,全世界のすべての電力を30分だけ止めてみせるのだが…という話.

宇宙人とのファーストコンタクトもののSFドラマです.
テルミンの特徴的なサウンド,光り輝くノッペリした空飛ぶ円盤,中から現れるキラキラの宇宙服を着た宇宙人,シンプルなデザインのロボット,そしてロボットから放たれる怪光線,とSFクラシックスの独特なテイストがうれしいですね.しかし序盤の見かけに反して,ストーリに派手なところは少なく,現実感のあるドラマになっています.
全世界の代表者の会議を開くこともできない政治家たちにクラトゥが失望する顛末は,当時の世界情勢も絡めてうまい展開だと思いました.しかし次に演説しようとするのが科学者というのが実にSFクラシックスっぽくていいです.今だったらマスコミを利用する話になるでしょうけど.
クラトゥは平和的な宇宙人なので武器どころか身を守る道具も何ひとつ持っておらず,そのためにひどい目にあうのはなんだか皮肉っぽいです.
後半は妙にあっさりと話が進んでしまいますが,今の映画だったらゴートが暴れるシーンや最後の演説のシーンにもっと力が入るでしょうね.
しかしクラトゥのメッセージは人類を救うためというよりもある意味脅迫みたいだし… まあそれだけ隣国が核兵器を持つことには警戒しなければってことですか.

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波止場(1954 アメリカ)

波止場の組合はギャングのジョニーに牛耳られていた.ボクサーくずれのゴロツキのテリーは,犯罪調査委員会で組合の不正の証言をする予定のジョイを誘い出す役割をジョニーに言い付かるが,彼の予想外のことにジョイは殺されてしまった.兄が殺された真相を知ろうとするジョイの妹イディに,波止場の人間はジョニーを恐れて口をつぐむばかりだった.イディに好意を持ったテリーは罪悪感から委員会で証言しようかと悩む.だがテリーの兄で組合の幹部のチャーリーが,証言をしないようにと説得にくるのだった…という話.

組合の不正と暴力に立ち向かう男の姿を描いたドラマです.
暴力の支配から脱却するには多大な勇気と犠牲が必要で,バリー神父がいくら圧制と戦うことを説いても,ジョニーのように邪魔者をバンバン殺してしまうような奴に反抗する気にはなかなかなれないものです.テリーもイディの兄が殺されたことの罪悪感などから徐々にジョニーに対して不信感を募らせて,そして兄の復讐のためにジョニーと対決するようになるのですが,この流れが無理がなくていいです.
テリーは今はゴロツキだけど,ハトを飼っているような繊細なところと,怒りに任せてジョニーのところに単身飛び込んでいくような愚直なところがあって,なかなか魅力的なキャラクターでした.
テリーとチャーリーがタクシーの中での言い争いのあとで見せる兄弟愛もなかなかよかったです.
しかし不正の内部告発を密告とか裏切り者とかいって蔑む風潮は,現代も直したいところですね.

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