候補者ビル・マッケイ(1972 アメリカ)
民主党はカリフォルニア上院議員の候補に若手弁護士ビル・マッケイを立てた.ビルは最初は自分の主張ができると思っていたが,選挙参謀のルーカスに注文をつけられてビルの意見はどんどん修正されていく.予備選挙では現職議員のジャーモンに大差をあけられていたが,選挙戦が進むにつれてその差はみるみる縮まっていく.あるとき選挙番組で,ビルは自分の主張をしていたのに今では自分を飾る言葉ばかりになったと指摘されてしまう.そして候補者の公開討論会が開かれて…という話.
選挙活動の中で自分を失っていく候補者の姿を描いたドラマです.
選挙に勝つためには,候補者の主張よりも有権者に与える印象が大切だという,なんとも身も蓋もない選挙活動です.選挙戦の様子が派手に描かれていて両候補も熱弁していますが,裏を知ってはただの茶番にしか見えません.
ビルは熱意と誠実さを持って立候補したはずなのに,選挙戦の中で自分とは異なる候補者像を作り上げられてしまいます.時折反抗してみせるビルの奇行が滑稽だけれどとても悲しげです.最後のセリフも印象的でした.
選挙戦を皮肉っている話ですが,そんな選挙を許してしまうのも実は有権者の責任なんですよね.なかなか考えさせられる作品でした.
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